薬剤師による調剤薬局の仕事解説

事務仕事から人材育成まで、調剤薬局の仕事すべてを管理薬剤師が解説します。

リタリン登録医師確認窓口と調剤手順を解説

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リタリンはナルコレプシーに使用される医薬品です。リタリンを処方する場合、処方医はリタリン流通管理委員会に登録医師として登録されていなければなりません。

ここでは、リタリンの処方せんを薬局で応需した場合の、登録医師確認方法、調剤手順について解説します。



リタリン登録医師確認窓口はこちら

※リタリンの調剤には、薬局、管理薬剤師の登録が必要です。

リタリン登録医師確認窓口
【リタリン流通管理委員会ホームページ】
https://ryutsu-kanri.ritalin.jp/ritalin/
【コールセンター】電話番号は一般には非公開

コールセンターの電話番号は一般には非公開

リタリンの処方せんを薬局で応需した場合の登録医師確認方法はWebと電話の2つの方法がありますが、コールセンターの電話番号は一般には公開されていません。

薬局がリタリン登録薬局として登録されると「登録医師確認のお願い」という文書を入手できるようになります。(画像はリタリン流通管理委員会からの情報から引用)

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コールセンターの電話番号は「登録医師確認のお願い」に記載されています。

なぜ登録医師の確認が必要なのか

リタリンの添付文書には次のように記載されています。

【警告】
本剤の投与は、ナルコレプシーの診断、治療に精通し、薬物依存を含む本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ行うとともに、それら薬局においては、調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤を行うこと

リタリンの有効成分であるメチルフェニデート塩酸塩は第一種向精神薬に指定されており、適切に診断された患者に対して適正に使用する必要性から、適正使用のための流通管理体制が設けられています。


リタリン登録医師の確認手順

リタリンの登録医師確認手順は次のようになっています。(画像はリタリン流通管理基準から引用)

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Webもしくは電話で登録医師確認を行い、確認できなければ調剤を断ります。

薬局、管理薬剤師の登録も必要

リタリンを調剤するためには薬局、管理薬剤師の登録が必要です。登録のない薬局へはリタリンが納品されません。

薬局、管理薬剤師の登録の流れは次の通りです。画像、説明文はリタリン流通管理委員会事務局ホームページから引用しています。)

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登録までの流れ
リタリン流通管理委員会では、登録申請書を随時受け付けておりますが、登録証明書発行までのサイクルは、委員会の確認(適格性審査)も含め、月2回のサイクルで登録手続きを行います。毎月15日あるいは月末までに受付が完了し、18日あるいは翌月3日までにWebによる「薬物依存について」の研修(登録医師)及び「流通管理基準について」の研修(登録医師、登録薬局、登録調剤責任者)を受けていただいた場合に、それぞれ月末あるいは翌月15日を目安に登録医療関係者に登録証明書を発行します。

登録には、eラーニング合格、事務局による審査が必要で、申請から登録まで少なくとも2週間程度の時間を要するようです。

リタリンの処方せんを応需した時点で薬局、管理薬剤師が未登録の場合、調剤を断る他ないでしょう。

リタリンは他薬局へ零売、譲渡できません

リタリンを他薬局、医療機関との間で貸借、売買、譲受譲渡することは禁止されています。

リタリン流通管理委員会が定める「リタリン流通管理基準」には、薬局の登録基準として次の条件が記載されています。

4.3.1 薬局の登録基準
1. リタリンの処方せんを受ける可能性のある薬局で,申請書の必要項目を記入し,かつ登録薬局リストに掲載されることを了承した薬局
2. リタリン流通管理基準に関する研修プログラムの履修を終了した薬局
3. 申請に際してリタリン流通管理委員会に以下の事項を誓約した薬局
リタリンを適正に管理し,調剤すること
他の薬局又は医療機関へのリタリンの交付は行わないこと
リタリン流通管理委員会が求めた場合,調剤記録に関する情報提供を行うこと
ID・パスワードを適正に管理すること
登録医師及び登録医療機関の情報を厳重に管理し,外部に流出させないよう必要な措置を講じること
その他,リタリン流通管理委員会が相当と認める事項

このように他薬局、医療機関とのリタリンのやり取りは、リタリン流通管理委員会によって禁止されています。

最後に

調剤前に登録医師の確認が必要な医薬品の一覧を以下の記事にまとめています。網羅されていますので、必要に応じてご覧ください。



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