薬剤師による調剤薬局の仕事解説

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デュロテップMTパッチ(慢性疼痛)登録医師確認窓口と調剤手順を解説

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デュロテップMTパッチは癌性疼痛および慢性疼痛に使用される医療用麻薬です。

デュロテップMTパッチを慢性疼痛に対して使用する場合、処方医はヤンセンファーマのeラーニング受講を完了させていなければなりません。

ここでは、デュロテップMTパッチの処方せんを薬局で応需した場合の、eラーニング受講済医師確認方法、調剤手順について解説します。



デュロテップMTパッチeラーニング受講済医師確認窓口はこちら

患者が持参する確認書と処方せんの医師名、施設名が一致している場合、下記確認窓口での確認は不要です。

デュロテップMTパッチeラーニング受講済医師確認窓口
【受講確認用Webサイト】https://www5.learningpark.jp/janssen/pharmacist/
【デュロテップ・ワンデュロ流通管理窓口】0120-588-717
受付時間 9:00〜20:00 (月〜日曜日、祝祭日を含む)

なぜeラーニング受講済医師の確認が必要なのか

デュロテップMTパッチの添付文書には次のように記載されています。

【承認条件】
慢性疼痛の診断、治療に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理・説明できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられ、それら薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること

デュロテップMTパッチは医療用麻薬であり、不適切に使用された場合、死亡に至る副作用の発現や、依存形成、乱用等のおそれがあるため、適正使用推進のための流通管理体制が設けられています。

なお、この流通管理体制の適用となるのは慢性疼痛治療の場合のみであり、癌性疼痛治療の場合には確認書などによる医師確認は不要です。(癌性疼痛治療の場合であっても、処方せんに麻薬施用者免許番号、患者住所の記載されていることの確認は必要です。)


デュロテップMTパッチの調剤手順

デュロテップMTパッチの処方せんを薬局で応需した場合、調剤前に、下の画像の手順に従い調剤の可否を判断します。(画像はhttp://www.jshp.or.jp/cont/13/1227-1-2.pdfから引用しています。)

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確認書のチェック

慢性疼痛治療のためにデュロテップMTパッチを処方する場合、処方医師は患者に確認書を交付することになっています。

確認書は下の画像の通りであり、確認書の正式名称は「デュロテップMTパッチ、ワンデュロパッチ慢性疼痛への処方時の確認書」です。(画像はhttp://www.jshp.or.jp/cont/13/1227-1-2.pdfから引用しています。)

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確認書が確認日から1年以内のものであり、確認書の医師名、施設名が処方せんの医師名、施設名と一致している場合には調剤可能です。

処方医への確認、薬歴の確認

患者が確認書を持参していない場合、処方医への確認もしくは薬歴の確認を行います。

処方医へ確認し、癌性疼痛治療での使用であることを確認した場合、そのまま調剤可能です。一方、慢性疼痛血長での使用であることを確認した場合、デュロテップ・ワンデュロ流通管理窓口または受講確認用Webサイトにより、処方医がeラーニング受講済医師であることを確認した上で調剤を行います。

医師への確認をせずとも、薬歴から①癌性疼痛治療であること②慢性疼痛治療での使用歴があり処方医がeラーニング受講済みであること、の①②いずれかであると判断できる場合には調剤可能です。

麻薬帳簿への記載方法

慢性疼痛治療のために医療用麻薬を調剤した場合、慢性疼痛治療目的であることが明確に分かるように麻薬帳簿に記載しなければなりません。

厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課による「薬局における麻薬管理マニュアル」には次のように記載されています。

慢性疼痛患者へのフェンタニル経皮吸収型製剤の交付
慢性疼痛緩和の目的でフェンタニル経皮吸収型製剤を払い出す際には、麻薬帳簿の備考欄に、「◯慢」などと記載することにより、慢性疼痛緩和の目的での受け払いであることを明確にしてください。

最後に

調剤前に登録医師の確認が必要な医薬品の一覧を以下の記事にまとめています。網羅されていますので、必要に応じてご覧ください。



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